――第一章
“浦上真理愛”はミッションスクールに通う学生である。母と二人で慎ましくも幸せに暮らしていたが、その最愛の母を医療ミスで亡くしてしまう。彼女に残されたのは情け程度の金とただ一つの思いだけ…。
『お母さんの無念を晴らすため、手術を執り行った医師を殺したい』
悩んだ末、彼女は保健室の扉を開き、養護教諭にその思いを打ち明ける。養護教諭“秋山美帆”は真理愛を咎めることなく、ただ怪しげに笑って彼女に意外なモノを与えた。それは、不気味に黒光りする、拳銃――。
――第二章
7年前の交通事故で死亡した“江藤睦美”は、浮遊霊となり気ままな暮らしを楽しんでいた。しかし、天使を名乗る少女が彼女を天国につれに来る。現世に居られるのは7年間だけだったのだ。しかし彼女には気がかりなことがあった……
――第三章
城心学園の文化祭が終わり、学内に日常が戻ってきた頃。主人公の“緒方輝明”は、学生会長である“相葉絵里香”から次期会長の人選について相談を受けた。現段階で立候補を表明している者の中では絵里香のお眼鏡にかなう者はおらず、これからの学生会の運営に不安を抱いていたが、輝明も全く心当たりがない。すっかり困り果てたところに、友人から一人の女子を紹介される。それは――。
――――そして第四章、幕間へ……
浦上真理愛
職業:学生(聖母マリア光ヶ丘学院3年生)
第一章の主人公。最愛の母を医療ミスで亡くしている。性格は真面目で成績優秀、その容姿も学内で一、二を争うほどの美しさであるが、普段は物静かでほとんど人と接しない。
江藤睦美
職業:浮遊霊(すでに死後7年になろうとしている)
第二章の主人公。7年前の交通事故で犠牲になり、現在は浮遊霊として気ままに暮らしてる。性格は明るく活動的で、何事にもくよくよしない。だから浮遊霊という立場もすぐに受け入れ、今では楽しささえ覚えている。
相葉絵里香
職業:学生(城心学園2年生、学生会長)
城心学園に通う学生で、現在の学生会長。性格は真面目かつ厳格であり、自分にも周囲にも妥協を許さないタイプ。そのような性格から学生会長に抜擢され、任期の1年間を見事に勤め上げる。彼女に付いた異名は『赤薔薇(あかばら)のジャンヌ・ダルク』。その見事な政治手腕と優れたリーダーシップ、的確な分析力と素早い決断力、そして薔薇の花を連想させる彼女の美しさと気の強さは、後世まで語り継がれることだろう。
相葉澄香
職業:学生(城心学園1年生)
城心学園に通う学生で、相葉絵里香の妹である。優秀な姉とは違って、慎ましやかで温厚な性格。人当たりの悪いほうではないが、どちらかと言うと一人でいることを好み、積極的に他人と接するようなことはしない。姉のことは尊敬しているが、あまりベタベタすることはないようだ。
秋山美帆
職業:養護教諭(聖母マリア光ヶ丘学院勤務)
聖母マリア光ヶ丘学院に勤める養護教諭。優れた医療技術はさることながら、カウンセラーとしての能力も一流で、どんな悩みにも的確に答えて相談者に安らぎを与える。
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